住宅・建築書店

新築に限らず、住宅のリフォームやシロアリ駆除をきっかけとする体調不良の、実態と真相を明らかにする入魂の書だ。

玄関の芳香剤・和室の畳・台所の洗剤・浴室のシャンプー等々、当たり前と思っていた普通の日常生活が、実は化学物質まみれだったことに気付かされ驚いた。アレルギー体質でない人も、この本を読んだら「私には無関係」とは言えないだろう。

　著者は主婦でフリーライター。読み易い本で、ポリシーが通っている。よくこの手の本には「サルでもわかる」とか「猫でもわかる」というたぐいの本が多い。それらの本の大部分は知識の寄集めにすぎない。情報化の時代だから寄集めるのは少しも悪い事ではない。ただ、主義、主張の分まで寄集めの文章そのままを使うから読んでいて混乱することが多い。

　この本には、そのような雑なところはない。まじめに取り組んでいることに好感が持てる 　さて、シックハウスもコストダウンや大量生産の産物である。省エネの規制や住宅の機密性を高め、新建材から発散されるガスを部屋中にまき散らすことになる。過去において、良かれと思ってやったことが今、シックハウスの原因となっていることも多い。